2016-03-25

悲惨な飛散






車内で痛いほどの陽射しを浴び、
ゆるゆるの気体で肺のなかが満たされて、催眠術にかかる一歩手前で我に返る。

車を降りたとたんに、思いのほか冷えた風にびゅんびゅん吹かれ、
髪の毛なんて獅子舞のようだ。



花粉とかPMなんちゃらとか、存分に味わっているに違いないけれど、
目の前で粒々が見えなくて救われるなあと思う。


「今日あなたの気管支に入った杉花粉は12,535個でした!」と、
スマホが教えてくれる日も遠くなさそうだけど、
きっと知らない方がいい……。