2016-08-31

碧さと静けさ





碧い空が映る。


ひんやりした空気のなかで穏やかに透き通る夏の空。


風が吹くと、さざ波が音もなく寄ってきて、
白い雲が気持ちよさそうにふるえる。


しばし眺めていると、ふいにピタリと止まり、
またくっきりと白く浮かびあがる。


揺れる。止まる。
気の向くままにくり返す。


ずっとここに居たいと思ってしまう。






耳を澄ましてみる。

遠くないところから、ポチャンというささやかな水の音。
魚が跳ねたのだろうか。


カーン。チチチッ。知らない鳥が鳴く。


人が作った音が聞こえないことに、思いいたる。






顔をあげる。

森の端と空がつながるあたりが、
「空が動いている」ことを、あきらかにしていた。


森にちょっとずつ吸い込まれるように雲が消えていく。

一方では、緑のむこうから新しい雲が産まれでるように飛び出してくる。





グーーーッ。

またどこかで知らない鳥が……ではなかった。



オナカガスイタ。