「寝室の内装をこういうのにしたい!」と思う。
枕元の壁一面がこんなのになっていたら幸せな気持ちで
眠りにつけそう。
湿気がすごいかなあ……。
気温があがってくると、水分の多い生野菜のシャリシャリ感や、
冷たさや、酸味が、とてもここちよいです。
スライサーで切ったキュウリとカブとセロリを、
ピクルス液に漬けこんだあと、くるくる巻いています。
薄いペラペラ野菜が層になっている一口大の塊は、
この形だけの楽しい食感です。
巻かずに、薄切りピクルスをふんわり盛り付けて食べても、
味は同じでおいしいけれど、
きゅっとコンパクトに巻いたものをパクッと口の中に放り込んで、
パリパリシャリシャリ噛んでみると、
これがだいぶ違うんです。
こういう時に、食べるものは、本当におもしろいなあと感じます。
信楽の陶芸家、青木寿美子さん作の、
アバンギャルドなお皿に盛ったら、
ちょっと箸休めのピクルスが、とっておきのひとしなになりました。
器パワー、とてもありがたいです。
お寺の手水舎に、初めて見るステキな柄杓がありました。
考案された方すごいなあ……と、見入ってしまいました。
シンプルな構造で、竹の良さが最大限に生かされています。
太い竹から取った本体と、細い竹から取った15cmばかりの持ち手の筒、
パーツは二つだけ。
二つを切り出して、差し込むだけで、
これだけの用をこなす、うつくしい道具ができあがっているようです。
どれも同じような傾きなので、
組み立て後に、ほどよい角度に固定して乾燥させるのでしょうか……。
お届けお弁当
<タケノコ&わらびごはん>
薄口しょうゆは少しにして香りづけ程度、
昆布の出汁と酒と塩ですっきりしたベースにして、
タケノコとわらびの香りが生きるようにしています。
少量のもち麦と白ごまでぷちぷち感を加え、
2mm角程度の極小にみじん切りしたあげで、
コクをだしています。
<新じゃがと鶏もも肉のバルサミコ煮>
オリーブオイルで皮ごとしっかり炒めた小さめの新じゃがと、
同じく表面を焼き付けた鶏もも肉、シイタケを、
しょうゆ、みりん、バルサミコ酢で煮つめていきます。
3つの旨みの濃い具材から出てきて合わさった汁を、
ぎゅーっと、また戻してやる感じの味の入れ方です。
<新ごぼうと大豆の塩きんぴら>
ごぼうと、下ゆでした大豆に塩を振り、オリーブオイルで炒めたあと、
無水で蒸し煮にし、ブラックペッパーをひいて。
でんぷんのホクホク感が強くひきだされます。
<芽ひじきとまいたけ、アスパラのサラダ>
<みょうが、パプリカ、新ショウガのピクルス>
<かぼちゃとスナップエンドウのグリル>
今年は、ありがたいことにタケノコとたくさんのご縁がある春です。
8Lの寸胴鍋で、10本のタケノコの下ゆでができてしまうことを、
初めて発見した春でもありました。
地面すれすれのところで、
澄んだ水が光りながら、さらさらと流れていくのです。
ワーっと、声があがります。
その先に何が現れるかわからない場所では、
ひときわ心が弾みます。
そう言ってしまえば、
初めて訪れたらどんなところであっても、
高揚する場になるから、ちょっと違うのかな。
予想を超えたものに出会いそうな予感に、
さらに気持ちが揺さぶられるのかもしれません。
揺れる木洩れ日のなかをくぐりながら、
てくてく、てくてく、わくわく、わくわく、
小さな探検でした。