2015-12-31

ゆくとしくるとし





目覚めから、明るく静かにすがすがしく晴れた、
きもちのよい一日でした。


おせちの仕上げの手を止め、
カメラをぶらさげて歩き納めです。



 
 
 
今年さいごの夕日を眺めながら、
たくさんの方のやさしい笑顔が順番に浮かんでくるのでした。
 
 
 



今年もありがとうございました!



2015-12-29

畏敬の念





その年月の長さというものが、
自分のなかにある感覚では容易に想像できないのだけれど、
ただただ、静かにそこに居て、
なにもかも見てきたのだろうなと思う。







空に伸びる梢と同じ分だけ、大地にも大きく根を広げていることを想うと、
存在の大きさにため息がでる。



そんなスケールと長い歳月を、簡単には撮ることができなくて、
じっと仰ぎ見るしかなかった。






神様のような巨木は、
年の瀬におだやかな気持ちをくれた。



2015-12-21

駆け抜けるサンタさん





材料を買いに行ったいつものホームセンターが、
なかなかの混み具合だった。


大物を抱えた人達でごったがえすレジ付近で、
ちょっとばかりトゲトゲしたやりとりを、いくつも目にした。


道も、不思議なほど車が連なっているし、
むりやり飛び出てくる危ないところに立て続けに出会う。


そっか、そういえばこの時期はなんだかこういう感じだったなあ・・・・・・と、
思い出した。




屋根付きのスクーターで、車のわきを器用にすり抜けていく、
サンタさんを見かける。
すばらしいライディングテクニックに、目が釘付けになる。


スーパーでは、シクラメンとポインセチアの鮮やかな鉢の隣に、
バケツいっぱいの若松と南天が並ぶ。


ふと気づくと、指先がひんやり冷たくなっていて、
はーっと、吹きかけてみた息は温かかった。


2015-12-19

粒あんと豆乳わらびもち





びっくりするような量のあんこ、仕込みました。

お届けのおやつは、豆乳と黒糖で練ったわらびもちと、できたての粒あん、
西尾市のお抹茶。

2015-12-15

りんごとクルミのケーキ





シナモンとクローブをしっかり効かせた「りんごとくるみのケーキ」は、
しっとりと深い奥行きがあり、寒い時期に味わいたい焼き菓子です。

バターを使わずに、控えめな量の菜種油で焼いているので、
軽さがあります。

「あっさりと食べられるけれど、スパイスやきび砂糖の風味と、
クルミのコクで、噛みしめるほどに満足感のある味」になるように、
ちょうどいいところを探って作っています。



2015-12-13

ラブラブ、イロハさん





植えつけから4度目の冬を迎えるイロハモミジ。


塀で囲まれた場所で、寒風があたりにくいからなのか、
近隣で植えられている同種のモミジよりも、
いつも遅れて色づきます。


燃えるような赤に染まり、はらはらと舞ったあと、
その集められた葉は、冬の間ずっと株元を温めてくれます。






2015-12-12

秋のゆったり時間のお届け





かろうじて固まるくらいの、フルフルの柔らかさに仕上げ、
黒蜜をたらした豆乳プリン。
さつまいものかりんとう、煎りたてのほうじ茶で、あたたかな時間。





2015-12-05

ひかりのゆくさき






ざざーん、ざざざー。
さらさらー。

波が寄るように、部屋の奥深くまでひかりが届くようになった。



2015-12-04

晩秋のディスプレイ






カレンダーも最後の1枚になって、
なんだか気持ちが引き締まる。


楽しさとあわただしさと、おそうじしたいところとか、
たくさんのことがないまぜになった、寄せ鍋のような時間がやってきた。





2015-12-01

光明





小高い丘に登って、
ふいに目に飛び込んできた光景に言葉をなくした。





40km近く離れた名古屋駅周辺の高層ビル群の上だけが、
とんでもないことになっている。





望遠レンズを持ってこなかったのがちょっぴり残念。





「良くできたCGなのか?」と、一瞬考えたそのあと、
「使徒でも出てきそう・・・」なんて思う。

   ※アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する、地球を襲いに次々やってくる謎のヤツラです



それなりには歳を重ねたのだけれど、
まだまだ、毎日は、見たことがないようなものごとであふれている。

2015-11-29

滴る満点星つつじ





薄曇りで少し肌寒い昼下がりのドウダンツツジは、
赤ワインが滴るような深い朱でした。


 
 
空気の重さが増してしまうほどの気迫です。
 
 

 


 
 

瞬く間に日は暮れてしまい、
ババンッとやってくる夜にまだまだなじめなくて、
幾度も左腕の時計に目をやってしまうのでした。




 
 

2015-11-21

色づくジューンベリー



 
 
ようやく2mを超えたジューンベリーの、
明るいオレンジ色に染まった葉が、
西からの陽をまとって、まぶしいほどの光の塊になっています。
 
 
 

 
 
今年の花は、はにかんだようにちょっぴりでした。

花が散ったところに実ができるので、
花が少ないということは同じく実も少ない、のでした。

当たり前なのだけど忘れているようなことを、
日々たくさん教えてくれる樹です。



植え付けてから初めての春は、花がたった5個だけでした。

そして同じく5個の実がちゃんとなった時の嬉しさといったら。

赤黒く熟すまでじっくり待って、
大切にそっと指先でつまんだ一粒を口にふくんだ時の、
あたたかく満たされた気持ちを忘れられません。

 
 

2015-11-20

梨汁ブシャーでオッケーなっしー




 
 
ええええっ!!ってことが起こっても、
「梨汁ブシャーっ」とか言って笑ってたら、
まあまあなんとかなってました。
 
・・・・・・ということが何回もあるんです。
 
すごいなあ、ふなっしー。
 
 
 

2015-11-15

虚と実





風もやみ静かな鏡となった水面に映る像の方が、
なぜかひときわくっきりと見えていた。


しみじみと眺めると、大きな違いは、光沢なんだと気づく。


逆光で柔らかい光がまわるホンモノが、写真プリントでいうところのマット仕上げで、
池に映りこむ方が光沢仕上げだった。


両方がタッグを組んだこのできごとは、不思議なことになっている。


並ぶ木々や空は実像で、池に映るそれは虚像だけど、その池は実像で・・・・・・。
なんだか頭がこんがらがってくるけれど、きれいだからいいんだ。


秋の夕暮れに現れた一幅の水墨画は、
遠くで車がアスファルトを擦る音とともに、
体の奥深くへ、ストンと落ちていった。




 

2015-11-14

おみやげがいっぱい





見あげることにも、見おろすことにも、
両方に夢中になると、なかなかいそがしい。

足元まであざやかに染まる頃だけの楽しみ。

 
 
 
 

2015-11-02

小さな緑青の世界





橋の欄干で見つけた。

銅の表面に浮く緑青のような色をして、
びっしりと広がる美しい苔。

カメラを構えていると、背後から声をかけられた。
「何か居るんですか?」

「いえ、あの、えっと、苔が生えてて・・・・・・」

なぜかしどろもどろになってしまった。

「そこに猫が。」みたいな答えじゃなくてごめんなさいっ、なんて思ったからか。



2015-10-31

ずっと居たい大山崎山荘美術館





「英国風」とか「日本的」とか「ミックススタイル」とか、
あえてそういう言葉も必要なくなるくらい、
敷地内全部がしっとりと調和していました。





大正から昭和初期に建てられた山荘を修復した本館も、
安藤忠雄設計の2棟の展示館も、
高低差を持つ敷地内に静かに、あふれる緑に埋もれるように存在しています。
 
 
 
 
 
 
クロード・モネの「睡蓮」を数枚、
常設展示するためだけに計画された展示館「地中の宝石箱」は、
地中に埋め込まれ、アプローチ部分だけでも圧倒的なボリューム。
 
魂を揺さぶられる導入部分です。
 
 
 
そうそう、これなんだ。
 
問に対する美しい解が明快に表現された建築を見ると、
ぐっときます。
 
予算だとかエコだとか時代背景だとか、超越したレベルの話で、
ひたすら力強い。
 




既存部分は、石、タイル、木材、塗装、金物・・・・・・、
どこを切り取ってもディティールが美しい。

ちょうど修復中の箇所がありました。
経年変化に合わせて新たに焼いたタイルを張り直しているようでした。

大変な労力をかけて維持管理されているのだろうと想像します。










敷地に足を踏み入れた瞬間から、心を奪われるのが、植栽の美しさ。
見惚れっぱなしです。





もちろん自然のままの野山ではないし、
入念に計画され、人の手が日々しっかり入っているのだけれど、
作為や技巧的なものが前面には見えない。
 
全く違和感を感じない。
それはきっと凄いことなのだと思います。
 









ぐるぐる、ぐるぐる、何周でも庭を歩いて眺めたい、
ほんとうにすてきな場所でした。

写真を撮りだすと危険!帰れなくなりそうです。







2015-10-30

お手本のような



 
 
「これぞまさしく日本の正統派でうつくしい秋の姿」として、
表彰状をあげたいくらい、
涼しくてすがすがしい10月だった。
 
 


 
空気がキーンと硬質になってきて、
葉から透ける光もゆったりと静かだ。
 
 
 

2015-10-15

千本鳥居をくぐると





鮮烈な朱色の鳥居が重なり連なって、
それはそれは、吸い込まれてしまいそうな
摩訶不思議な空間ができあがっている。



完全に外部と遮断されてはいないから、
外に意識を向けると、スリット状の隙間から、木々の緑と空の青が、
ちらちらと視界に飛び込んでくる。
 
ゆるく遮りながら効果的に自然や光を取り込む装置になっている。




それがひとたび、朱に染まる内部だけにぐっと意識を向けると・・・・・・。

どこまでも終わりがなさそうな奥行きや、
ほわりと発光しているような色の広がりに、
どんどん引き込まれていく。
 
 
胎内に居るような、どこか懐かしいような気持ちで、
浮遊感も味わいながら、ひたすら歩く。

 
歩いて歩いて、このままどこか異次元へたどり着くのではないかと思ったら。
 
鳥居が途切れた先も普通に稲荷山のままでした!


 
 
 
 
 
 
数年前に訪れた際、タクシーの運転手さんがぽろっとこぼした、
なるほどな一言が忘れられない。
 
「やっぱり商売繁盛の祈願に来はったんですか?
 一番もうかってるのはねえ、おいなりさんですわ!ワハハ!」