2016-02-28

イクラノナルキ






ふいに部屋の奥まで明るくなったように感じた。


いつのまにやら雨があがっているのに気づく。


窓の外に目をやると、赤い冬芽をつけたモミジの枝に、
たくさんのつぶつぶが、ぶらさがっている。






スズランの花のように清楚にうつむいて、お行儀よく整列する、
その姿はどこかで見たような……。
と考えて思いいたる。
 





「フォトショップ」でちょいっとオレンジ色に加工したら、
まさしくイクラなのだった。

ちょうど同じサイズ感。


今、この木に実る粒を全部集めたら、
ゆうに5人はおなかいっぱいになる超大盛りイクラ丼ができあがる。


(どこかの県の農業試験場で、
そんな、イクラのなる木を開発してくれるとうれしい。)





あと10分で出かけようという時に見つけたイクラを、
レンズ交換もして急いで撮った。


「あと何分くらいこのままイクラなのか」知りたかったけれど、
それは謎のまま、次回のお楽しみとなった。


2016-02-23

雲竜柳の金粉ショー






お正月の生け込みに使ったウンリュウ柳が、
塗られた金色の塗料をものともせずに、
新葉を吹きだしています。


くるくるカールのやわらかな小さい葉から、
とってもおおきな力をもらっています。


この20年ほど毎年、お正月に使った柳のその後を見て、
やっぱり金銀の塗り枝は、息苦しくて過酷なのだなあと感じます。


葉が出てくるけれど早々に枝先から枯れこんできたり、
ちょろっと発根だけしてほぼ芽が出てこなかったりしたことも。



塗装しない素のままの柳は、ほぼ100%の確立で、
ぐんぐん水中に根を伸ばし、じゃんじゃん新葉を出して、
すばらしい生命力を見せてくれています。


葉のない冬の枝の状態で年末年始に水につけてから、
5月くらいまで枯れずに楽しめることも多かったです。


しだれ柳などよりもウンリュウ柳が、さらにその仲間の
ドラゴン柳がもっと強いような印象をうけます。



「人は全身に金粉を塗ると皮膚呼吸できず死にいたる」という説を
こどもの頃に聞いて、そうか危険なんだと思いこんでいました。
これ、根拠がないんですね。

ずいぶんあとになって知りました……。




2016-02-21

ここにある ・ 放課後の時間






フェンスのわきには色とりどりの小さな自転車が並ぶ。


スニーカーにぶつかったサッカーボールが、少しへこんだあとで弾け、
おなかに振動が伝わるような音が響く。


ぽーんと、放物線を描いて落ちる。
またあがる。落ちる。


隅っこで一輪車の練習をする女の子たちが楽しそうに笑う。


ほほに受ける風はこころもち温かい。


こんな光景、好きだなあ・・・・・・と思う。


こういう時は、メガネをはずして眺めるのもよかったりする。


焦点が合わない、淡くぼやけた通りすがりのグラウンドに目を向けていると、
次第にはっきりと、今ここに在るじぶんが見えてきた。


 

2016-02-20

センティッドジュエルのおめでとうディスプレイ







深みのある紫に白の絞りが入る「センティッドジュエル」は、
ダマスク系の華やかな香りが強くただよう、魅力いっぱいのバラで、
うっとり見惚れてしまいます。
 






名前の通り、まさに「香る宝石」だなあ・・・・・・。


挿しながらもとても癒されました。






2016-02-18

パワーアップ?





毎日、手帳とは親密なおつきあいをしている。


カレンダーと、そこに記す文字で日々がまわっていく。


5日間で。月末までに。量でとらえて暮らしている・・・・・・と、思っている。


それにもかかわらず、「もう2月も後半なんだ!」って改めてびっくりしたりする。


じぶんのなかで日の過ぎる速さと、実際の過ぎた日数との隔たりが、
どんどん大きくなってきているのを感じる。


もしや知らぬ間に、からだのまわりに時空のひずみができていて、
びゅーんと早い部分が出現しているのではないか、と考えてみたりする。


最近はさらに、「自分が何度も同じようにびっくりしている」という事実に、
驚いてしまう。


もう2月も後半なんだと、
同じ分量の同じ新鮮さで何回もびっくりしているのだから、
なかなか楽しいかもしれない。


これはもう「忘却」の一語で片づけるのはもったいない、
新しい能力じゃないか!なんて思う。


2月も後半!の風はまだ冷たいけれど、
窓辺にはすでに春の勢いをはらんだ陽ざしが届いている。