2015-10-31

ずっと居たい大山崎山荘美術館





「英国風」とか「日本的」とか「ミックススタイル」とか、
あえてそういう言葉も必要なくなるくらい、
敷地内全部がしっとりと調和していました。





大正から昭和初期に建てられた山荘を修復した本館も、
安藤忠雄設計の2棟の展示館も、
高低差を持つ敷地内に静かに、あふれる緑に埋もれるように存在しています。
 
 
 
 
 
 
クロード・モネの「睡蓮」を数枚、
常設展示するためだけに計画された展示館「地中の宝石箱」は、
地中に埋め込まれ、アプローチ部分だけでも圧倒的なボリューム。
 
魂を揺さぶられる導入部分です。
 
 
 
そうそう、これなんだ。
 
問に対する美しい解が明快に表現された建築を見ると、
ぐっときます。
 
予算だとかエコだとか時代背景だとか、超越したレベルの話で、
ひたすら力強い。
 




既存部分は、石、タイル、木材、塗装、金物・・・・・・、
どこを切り取ってもディティールが美しい。

ちょうど修復中の箇所がありました。
経年変化に合わせて新たに焼いたタイルを張り直しているようでした。

大変な労力をかけて維持管理されているのだろうと想像します。










敷地に足を踏み入れた瞬間から、心を奪われるのが、植栽の美しさ。
見惚れっぱなしです。





もちろん自然のままの野山ではないし、
入念に計画され、人の手が日々しっかり入っているのだけれど、
作為や技巧的なものが前面には見えない。
 
全く違和感を感じない。
それはきっと凄いことなのだと思います。
 









ぐるぐる、ぐるぐる、何周でも庭を歩いて眺めたい、
ほんとうにすてきな場所でした。

写真を撮りだすと危険!帰れなくなりそうです。







2015-10-30

お手本のような



 
 
「これぞまさしく日本の正統派でうつくしい秋の姿」として、
表彰状をあげたいくらい、
涼しくてすがすがしい10月だった。
 
 


 
空気がキーンと硬質になってきて、
葉から透ける光もゆったりと静かだ。
 
 
 

2015-10-15

千本鳥居をくぐると





鮮烈な朱色の鳥居が重なり連なって、
それはそれは、吸い込まれてしまいそうな
摩訶不思議な空間ができあがっている。



完全に外部と遮断されてはいないから、
外に意識を向けると、スリット状の隙間から、木々の緑と空の青が、
ちらちらと視界に飛び込んでくる。
 
ゆるく遮りながら効果的に自然や光を取り込む装置になっている。




それがひとたび、朱に染まる内部だけにぐっと意識を向けると・・・・・・。

どこまでも終わりがなさそうな奥行きや、
ほわりと発光しているような色の広がりに、
どんどん引き込まれていく。
 
 
胎内に居るような、どこか懐かしいような気持ちで、
浮遊感も味わいながら、ひたすら歩く。

 
歩いて歩いて、このままどこか異次元へたどり着くのではないかと思ったら。
 
鳥居が途切れた先も普通に稲荷山のままでした!


 
 
 
 
 
 
数年前に訪れた際、タクシーの運転手さんがぽろっとこぼした、
なるほどな一言が忘れられない。
 
「やっぱり商売繁盛の祈願に来はったんですか?
 一番もうかってるのはねえ、おいなりさんですわ!ワハハ!」
 

 
 
 
 

2015-10-08

2015-10-07

ショータイム





たまたま、なのだった。

ちょうどオムライスの皿の上にだけ、光が降っていた。

狙って演出したくても、これがなかなかできなかったりする。

思いがけないごほうびに、ウキウキと浮き立ちながら、
いつもよりもじっくりと噛みしめて味わった。