碧さと静けさ
碧い空が映る。
ひんやりした空気のなかで穏やかに透き通る夏の空。
風が吹くと、さざ波が音もなく寄ってきて、
白い雲が気持ちよさそうにふるえる。
しばし眺めていると、ふいにピタリと止まり、
またくっきりと白く浮かびあがる。
揺れる。止まる。
気の向くままにくり返す。
ずっとここに居たいと思ってしまう。
耳を澄ましてみる。
遠くないところから、ポチャンというささやかな水の音。
魚が跳ねたのだろうか。
カーン。チチチッ。知らない鳥が鳴く。
人が作った音が聞こえないことに、思いいたる。
顔をあげる。
森の端と空がつながるあたりが、
「空が動いている」ことを、あきらかにしていた。
森にちょっとずつ吸い込まれるように雲が消えていく。
一方では、緑のむこうから新しい雲が産まれでるように飛び出してくる。
グーーーッ。
またどこかで知らない鳥が……ではなかった。
オナカガスイタ。