2016-01-06

見たいものはなんだろう





冬になると、海が見たくなる。







日暮れ近くの低く降りてきた陽を受けた、
宝石のような海は、あまりにまばゆくて、
涙が出そうになる。





耳がちぎれそうに冷たいことに気づいた。

パーカーのフードをすっぽりかぶって、紐をきゅっとしぼり、
ねずみ男に負けない格好に変身する。

ファッションも決まったところで、またファインダーをのぞく。





まぶしい。
なにもかもが澄んでいる。


すっかり冷え切ってしまったカラダが震えているのかと思いきや、
ぶるぶるしているのはココロの方だった。